お手入れについて

庭のお手入れいたします。

月日が経つにつれ味が出てくる。風情が増していく。良くなっていく。それが庭です。
庭には「お手入れ」が必要です。

庭作りをするように手入れする

多くの庭へ、年に一度お手入れさせていただいております。
お手入れは、一年間で伸びた分の枝を切り詰めるだけが目的ではありません。
必要に応じて緑の濃さや木の高さを計画的にコントロールしながら。庭作りをするように。
10年後20年後、その先の庭の景色をイメージしてお手入れしています。
木は必死に生きています。したがっていきなり太枝を切り詰めると焦ります。反発します。
そして翌年には徒長枝ばかりになってしまい著しく樹形が乱れます。一度そうなってしまうと直すのに何年もかかってしまいます。
計画的な、定期的なお手入れをお勧めいたします。

伐採 承っております。

いつの間にか大きくなり過ぎてしまった木。
台風が来れば倒れてしまいそうな危険木。
造園工事に伴う既存木の整理。
やむを得ずの庭の解体。

高所作業車が入らない。伐採木の脇に建物がある。切った太枝を落とせない。など難しい伐採現場もあります。
現場の状況に応じた特殊伐採の工法と専用の道具を使い安全第一で作業いたします。

京透かし

京都で8年間修行しました。
世界遺産に登録されるような広大な禅寺の庭から数寄屋作りの旅館。個人様邸の町屋の庭にいたるまで。さまざまな形式の庭のお手入れに携わらせていただきました。
京都の剪定といっても「御所透かし」「町屋透かし」「寺透かし」と呼ばれるの3通りの剪定手法があります。
その違いは敷地の広さ・植木の大きさ・眺める人の目線の位置に応じて挟み方を変えているということでしょうか。

「御所透かし」:御所の敷地は広大です。眺める人の目線は遠いです。一本一本の木を見るというよりも風景全体を見渡すような庭です。植木の本数も多くそのどれもが大きく古いのであまり伸びませんからそこまでしっかり鋏を入れません。概ね濃いめに仕上げています。

「町屋透かし」:町屋(個人様邸)の敷地は広さが限られていますので植木の高さは低め、奥行きを感じられるように葉の濃さと密度は薄めに仕上げます。庭を眺める人の目線が近いので、その目線に耐えうるような。例えば切り口があからさまに見えないようにするとか、切った枝が下の枝にひっかかったのを完全に取り除くとか、細かい部分まで配慮した、気持ちの行き届いた剪定をします。

「寺透かし」:お寺はどうなのでしょう。禅宗寺院の多い京都ですが、禅寺の庭(特に方丈庭園)は必要最低限の石と植木で構成されています。植木の枝数もまた然りです。
必要最低限の枝数と葉の量にまで削ぎ落とされた緊張感のある仕上がりの植木が多いです。
また著しく景色が変わってしまうことを嫌います。100年前と100年後もさほど景色が変わらない剪定を目指しています。

京都市内は山に囲まれているということも剪定に影響を与えています。五山の送り火を庭先から望み眺めたいというニーズが多いので、庭の外周の植木の高さを低くすることもよくします。
どこから眺めるか。何を見せ、何を隠すか。緑は濃いのか薄いのか。輪郭はカタイのか柔らかいのか。
場所を読み、ニーズを聞く。最も良い剪定を考察し目指すそいうのが「京透かし」なのだと理解し今でも実践させてもらっています。

江戸透かし

「江戸透かし」。明確な手法があるのかは知りませんが、京都に比べ江戸(東京)の方は細かく鋏を入れる傾向があります。
細かく鋏を入れることで枝数が増え、伸びるエネルギーが分散されます。したがって一年間で伸びる長さは京透かしに比べ大人しいです。
ただ雑木類の剪定はこの限りではなく。大胆に太枝を取り除き大人しい枝と更新させるなど、その技術の高さは東京の方に軍配が上がるのではないでしょうか。
造園あら井では京都と東京のそれぞれの良い部分に学びハイブリッドな剪定手法を目指しお手入れしています。

お手入れの事例はinstagram・ブログでご覧いただけます。