雨が降った時にだけ池が現れる庭
個人様邸としては敷地が大変広く、そして大変水はけの悪い土地でした。
雨が降ればそこらじゅうに水たまりができ何日経ってもなくならない。そういった土地でした。
ということで逆転の発想。
庭に大きな「枯池」を掘りました。
そして敷地内に降った雨のほぼ全部が枯池に流れ込むように勾配をつけました。
「雨水枡」と枯池をパイプでも繋いでいるので、屋根に降った雨も雨水枡がオーバーフローすれば枯池に注ぐようにしています。
雨が降ると庭に束の間の池が出現します。
枯池には橋を架けました。
橋を渡ってお家に帰るなんて、ほんの少し非日常的でステキだと思いませんか。
ちなみにこちらの家の室内にも橋がかかっているんです。
ナカとソト、それぞれのデザインがさりげなくリンクする。
造園はソトの仕事ですがナカのことも考えて庭づくりしています。
枯池を掘った際に発生した残土は盛って築山にしています。
ちょっと大袈裟に起伏をつけて、子供が喜ぶような形に盛り上げています。
庭から形の良い山々を望むことができます。
庭に築山を作ればそれら山々も庭の一部になってしまいます。
「借景」という日本庭園の常套的作庭手法です。