庭と自然

なぜ自然は美しいか。

人はなぜ「自然」の営みに感動し、それらの造形を美しいと思うのでしょうか。
なぜ「自然」の中に身を置くと癒され気分が良くなるのでしょうか。
そのメカニズムはよく分かっていないようです。
確かなことは人もまた自然の一部であるということ。
どんなに文明が発達しても身の周りに木や花を植え、「自然」を感じながら生活したいと望むのは自然なことなのかもしれません。

「自然」を取り込む

「自然」を生活の中に取り込む。愛でる。
その手段の一つに「庭」があります。
春夏秋冬。
私たちの暮らす日本には明確な四季があります。
「庭」の中で移ろいゆく四季折々の景色。花、鳥、風、月・・・。
「自然」を身近に感じながら暮らす。
なんて豊かで、贅沢なことでしょう。

庭は自然ではない

一方で。「自然」というのはただただ美しく人にやさしいものでもありません。
時に厳しく。無慈悲なものです。
「自然」を観察していて気づいたことがあります。
山、川、森、海。。。実は、人が美しいと感じる「自然」の風景にはたいてい人の手が入っていることを。
同様に、庭も人が手を入れコントロールすることで成り立っています。
それをしなければ数年で「自然」に飲み込まれ荒れ果ててしまいます。
「庭」という空間でいかに「自然」を感じさせ、コントロールし美しさを維持するか。
伝統的な「庭」と「自然」に学びながら試行錯誤をしています。